夏の展示「点と線と面-板画の美しさ-」

本日は青森が生んだ巨匠、棟方志功の夏の展示をご紹介したいと思います。

棟方志功は板画の美しさについて、「とくに木板画の美しさは、木から生まれる線や、点や、面(線でも点でもない、それ以外の板画の部分のことをいう)とから生まれてきます。」(『板画の話』1954)と語ります。彫刻刀で彫った部分が白い点や線となり、残りの板の部分が黒い面になる板画。棟方はその点と線と面から生まれる白と黒の対比こそ美しいとし、日本伝統の木板画の美しさを追求し続けました。
この白と黒の絶対比を生み出すために棟方は装飾表現を巧みに扱いました。「絵を模様化することが一番の板画への早道ではないか」(『板画の道』1956)と感じた棟方は、遠近法を用いて空間の広がりを表現する油絵とは異なる、対象を模様化するという独自の板画表現を生み出します。
こうして白と黒を基点とした板画の美しさを追求するからこそ「油絵は原色で混りっ気のないものを描こう、板画では、黒と白を生かしてゆこう」(『板極道』1964)と話すなど板画、倭画、油絵、書それぞれの美しさをめざして描きました。夏の展示では、板画を中心に展示することで棟方がめざしたそれぞれの美しさをご紹介します。

会場

棟方志功記念館

住所

青森市松原2-1-2

電話番号&FAX

TEL:017-777-4567 FAX:017-734-5611

期間

2021年06月15日~2021年09月20日

お問い合わせ

棟方志功記念館  017-777-4567

余談ですが、私も学生時代に一度行ったきりなので、久しぶりに行ってみようと考えています。